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学生のインタビュー取材に答える小島祥美・東京外国語大准教授(左)=同准教授提供

 外国人の子どもたちが小中高校に通うのが珍しくない今、どんな日本語教育をすれば良いのか。外国人の生徒が多い愛知県立衣台高校(豊田市)と岐阜県立東濃高校(御嵩町)で、アドバイザーを務める東京外国語大多言語多文化共生センターの小島祥美准教授(教育社会学)に聞いた。

 ――日本語指導が必要な外国人の子どもは、愛知県が1万1924人と全国最多、岐阜県1877人、三重県2376人と、東海地方に多くいます。衣台と東濃両校での日本語教育の特徴は何ですか。

 実はこの2校では、日本語を「教える」授業はしていません。「育てる」授業をしています。外国人の生徒らの頭の中で考えるためのことばを育てるという意味です。

 母語の知識や、彼らの興味関心のある話題を題材にして、考えさせながら日本語を身につける授業をしています。社会で生きていくために「自ら考える力」をつけてもらいたいためです。

試験に合格するための学習では育たない力

 ――それはどんな力ですか?

 外国人への日本語教育は、表…

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